先日、「2年前から原因不明の両足の痛みがあり、夜眠れない」という高校生が来院されました。

整形外科でレントゲンやMRI検査をしても原因がわからず、途方に暮れていたとの事でしたが、1回の施術とセルフケアのアドバイスで劇的に改善したので、同様の症状の方のために、ご本人同意の上情報をシェアします。

痛みの経緯

2年くらい前から、思い当たる原因なく両足全体(太もも~ふくらはぎ)の鈍痛が始まり、ここ1年で悪化して、2~3日に1度は痛みで夜眠れなくなりました。

日中は楽で夕食後がつらく、これをやったらつらくなる、これをやったら楽になるというものは特にありませんでした。

病歴や生活習慣

これまでに、特に大きな病気やケガは無く、特にスポーツなどはしていないとの事でした。

今回、整形外科を受診して、レントゲンやMRI検査を受けましたが、特に異常なしと言われました。

身体的特徴

やせ型で、女子高生にありがちな、反り腰、股関節内旋(いわゆる内股)の姿勢でした。

※ 写真はイメージです

当院での見立てと施術

まず、神経学的検査で、椎間板ヘルニアなどによる坐骨神経痛や大腿神経痛でないことを確認しました。

さらに、関節可動域検査や筋力検査・触診で、大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん 下図の青い部分)の過緊張や筋力低下を見つけました。

そして、大腿筋膜張筋を押してみたところ、足の方にひびく感じがありましたので、そこを刺激する施術を行いました。

また、自宅でできるセルフマッサージとストレッチをお教えしました。

10日後

10日後に再び来院されましたが、痛みは半分以下になり、夜眠れるようになったとの事でした。

その後、足の痛みは気にならなくなり、現在は、以前からあった腰痛の方が気になるとのことで、引き続き来院されています。

最後に

1回の施術とアドバイスで、2年間あった症状が劇的に改善したことから、今回の痛みの原因は「大腿筋膜張筋の筋筋膜性疼痛症候群」だったのではないかと推測されます。

また、その背景には、「反り腰・内股」という日常の姿勢があるのではないかと考え、再発防止のために姿勢改善のエクササイズもご提案しました。

もちろん、足の痛みの原因にも色々あり、これはその1例にすぎませんが、足の痛みの原因がすべてヘルニアや神経痛によるものではない、という事を知っていただきたいです。

執筆者 : 益田尚
鍼灸師(国家資格)・コンディショニングコーチ
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