五十肩(正確には肩関節周囲炎)は、その名の通り50歳代以降に多く、肩が上がらない、腕を動かすと痛むなどの症状があります。

急性期は、肩の奥にある腱板や関節包の炎症が、慢性期は、それらと筋膜や滑液包が癒着することによる可動域制限が生じます。

痛みや可動域制限の原因は多岐にわたりますが、今回は、慢性期の方向けに、三角筋という筋肉にフォーカスしたセルフケアをご紹介します。

はじめに

五十肩の場合、炎症のある急性期と、炎症はおさまったが痛みや可動域制限がある慢性期でやるべきことが違います。

今回お伝えするセルフケアは、慢性期の方向けのものですので、じっとしていても痛むなど炎症が疑われる方は行わないで下さい。

また、慢性期の方も自己責任で行っていただき、痛みが強くなる場合は中止してください。

三角筋とその奥の組織

肩には、表層に、三角筋といういわゆるアウターマッスルがあります(下図の青い部分)。

五十肩の原因と対処法(三角筋)

その奥には、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋といったインナーマッスルがあります(下図の青い部分)。

五十肩の原因と対処法(インナーマッスル)

そして、アウターマッスルとインナーマッスルの間には、滑液包というクッションがあります。

これらが癒着すると、肩関節の動きがスムーズでなくなり、痛みや可動域制限の原因になります。

今回は、これらの組織間のすべりをスムーズにする目的のセルフケアを2つご紹介します。

最初は、後から痛みが出ないことを確認しながら、1日数回行ってください。

三角筋をつかんでゆらす

① 仰向けに寝て、痛い方の脇を軽く開けて脱力します。

五十肩の原因と対処法(セルフケア)

② 痛くない方の手で、痛い方の三角筋をつかんで前後にゆらしてください。三角筋を下の組織から引き離すイメージです。10回ほどおこないます。

五十肩の原因と対処法(三角筋リリース)

③ 同じく三角筋をつかんで、上下にゆらしてください。これも10回ほどおこないます。

五十肩の原因と対処法(三角筋リリース上下)

三角筋を押さえて腕を動かす

① 痛い方の三角筋の一番上、骨にくっついている部分(下図の緑の部分)を痛くない方の手で押さえます。

五十肩の原因と対処法(肩峰下滑液包)

② その状態で、痛い方の腕を内側と外側に交互にひねります。三角筋がつられて動かないようにしっかり固定して下さい。10回ほどおこないます。

五十肩の原因と対処法(肩峰下滑液包リリース)

③ 同じく三角筋が動かないようにしっかり固定したまま、腕を外側に上げ下げします。10回ほどおこないます。

五十肩の原因と対処法(肩峰下滑液包リリース上下)

最後に

いかがだったでしょうか?

この方法で、痛みが軽減したり可動域が改善するようであれば、継続して行ってみてください。

逆に、この方法で変化がでない場合は、三角筋周囲の問題ではないのかもしれません。

今後、肩に対する他のセルフケアもご紹介したいと思います。

執筆者 : 益田尚
鍼灸師(国家資格)・コンディショニングコーチ
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